憧憬
朝起きたら、人を好きになっていた。
ということもあるが、逆もある。
さっきまで会ってた人なのに、起きると以前ほど興味が持てなくなってしまった。
心が動かない。
私はその人をずっと好きでいたいのに、心がついてこない。虚しい。
他の人に目移りしてしまう。
彼は何も変わっていない。
好きでいたいのに。
私は白状だ。
嫌われる前に飽きてしまいたい、私から嫌いになりたいと思っていたけど、こんなのはあんまりだ。
私はずっと好きでいたいのに。
心がいうことをきかない。
そっぽを向いている。
私の心のはずなのに。
たぶん、会って「どういう関係でいたいんだろう」と考えてしまった。
「この人は私の何なんだろう」と考えてしまった。
恋心だと思っていたそれは、憧憬だったのかもしれない。
私からはあまりにも遠すぎた。
ただ見ていることしかできなかった。
あなたの前に立つ私は不甲斐なさすぎて、自信がなくて、あなたに貰うばかりで何かをあげられることはないと気づいてしまった。
結局、大勢の中の一人。
それでも別になんてことなかったのに。
そんな自分が情けなくて、心があなたのことを忘れようとしてる。
のだと思う。無理やり理由をつけるなら。
「じゃあ、その人とどうなりたいの?」と聞かれても、私は「ずっと好きでいたい」と答えることしかできない。
そういうことじゃないんだ。
どうにかなりたいわけじゃないんだ。
好きでいたい。
もうこの心はどうしようもない、ということに気づいている。
でも、分かりたくない。
ずっと好きでいたい。
ただ、あなただけを見ていたい。
飽き性で移ろいがちな自分の性格を愛していたけれど、今はそれがただただ憎い。
朝起きたら、私の恋がまた始まっていますように。
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